
- 作者:佐野 徹夜
- 発売日: 2020/05/28
- メディア: 文庫
"純度100%の青春小説"
これが本書のキャッチコピーです。
著者の過去作『君は月夜に光り輝く( +Fragments)』、『この世界にiをこめて』『アオハル・ポイント』を今までに読んできましたが、今作ほど胸糞悪くなる作品はないでしょう。 本書の9割はそのような胸糞の悪くなる成分で、残りの1割に青春小説のような成分が含まれています。
良くも悪くも期待を裏切るような作品だと言えます。
"純度100%の青春小説"
理想の青春とは対極に位置するような、救いようのない最悪な青春を100%の純度まで高めたのではないか?、そう思わずにはいられませんでした。読み終わってもスッキリせず、モヤモヤした気持ちになります。キツいなぁと思う描写も度々ありました。
読み返したくはない、今のところは
ネタバレに配慮すると、本書では最後まで読むと意図が理解できる表現があります。「あの表現はそういうことだったのかな?」というような。読み返すと納得がいくのかもしれませんが、読み終えた直後の心境としては、この本をもう一度読む気にはなれません。前述の通りしんどいので。 『君は月夜に光り輝く』は何度読んでも良かったのですが……
おわりに
あとがきまで読むと本書が世に出て良かったとは思います。良かったとは思いますが、万人受けはしなさそうです。